RSウィルスとはどんなものか知っていますか?
大人はなんてことなくても子どもは本当に気を付けなければいけません。特に月齢が少ない赤ちゃんは重症化する恐れもあります。
ここではRSウイルス感染症の症状や受診のタイミングと治療方法についてご紹介します。
RSウイルス感染症の症状
毎年10月から3月頃が流行期で、12月や1月にピークを迎えます。ですが夏にもかかる可能性のあるウィルスのひとつです。
RSウィルスは珍しいウイルスではなく、1歳までに半数の子が、2歳までに100%近くの子が感染するといわれています。1度かかったからといって免疫ができるものではなく、感染をくり返します。何度もかかることで徐々に免疫ができるのです。
おもな症状は鼻水、咳、のどの痛み、発熱などです。発熱が起きるとは限らないのですが39℃以上でることもありますし、同じ時期に流行するインフルエンザと区別が難しいこともあります。
RSウイルスは大人でもかかる病気ですが、大人は免疫があるので軽く風邪の症状がでるだけです。ですが低体重児や乳児、特に1歳未満の赤ちゃんがかかると重症化しやすいです。
RSウイルスにかかると細気管支で炎症がおこりやすいんです。初めてRSウイルスに感染した場合の30%ほどは気管支炎や肺炎になり、1~3%は重症化して入院治療となるそうです。
RSウイルスの合併症
RSウイルス感染症になり、中耳炎を合併して発症する事は珍しくありません。特に小さいお子さんで多く、2歳未満で70%、2歳以上で30%は中耳炎を合併します。
中耳炎から高熱が出ることもあるので、赤ちゃんの耳の状態をよく観察するようにしてくださいね。
RSウイルスの受診のタイミング
赤ちゃんは特に咳や鼻のせいで母乳やミルクを飲めなくて、脱水症状をおこしやすくなります。
病院で受診すべきかを見極める一つの目安は、赤ちゃんが水分が摂れているかです。食事がとれなくても、イオン飲料等で補っていれば基本は大丈夫なのですが、水分が摂ることができないないほど弱っている時は夜中でも受診した方がいいですね。
もちろん、これは一つの目安です。
風邪の症状が出ていて、さらにこれらの症状があるようなら迷わず受診しましょう。
- 母乳やミルクの飲みが悪くなる
- 呼吸が浅い、速い(1分間に60回以上)
- 呼吸がゼーゼーして眠れない
- 痰が詰まる
- 急にぐったりする
特に月齢が6カ月未満の赤ちゃんは注意が必要です。
RSウイルスの治療方法
RSウィルスに特効薬はありません。インフルエンザのような予防接種もないのです。基本的には今でている症状に対しての、いわゆる対症療法がおこなわれます。咳や発熱のつらさをやわらげてあげるということですね。
ですがRSウィルスの感染によって命に関わるとされる場合(以下を参照)、シナジス(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)を月に1回注射することでウイルスの感染力を中和し、ウイルスの複製および増殖を抑制します。
RSウイルス感染流行初期において
- 在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児及び乳児
- 在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児及び乳児
- 過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児及び幼児
- 24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児
- 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児及び幼児
- 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児及び幼児
つまりRSウィルスは予防をすることが一番現実的だと言えるでしょう。
感染の仕方や予防方法をしっかりおさえておきましょう。
RSウイルスの感染経路
感染の仕方は普通の風邪やインフルエンザと同じで目・鼻・口の粘膜からです。いわゆる飛沫感染や接触感染ですね。ウィルスがあるくしゃみや咳が空気中に放出され、それを吸い込んだり手や指などの接触によって感染します。
ウィルスがおもちゃなどに付着してから4~7時間は感染力があるそうです。こまめにアルコール消毒をするように心がけましょう。
潜伏期間は個人差もありますが2~8日とされ、症状がおさまっても咳から感染することがあります。特に小さいお子さんはウイルス排出期間が長いので、完治してからも1~2週間は周囲の方にうつらないように、マスクやうがいが必要です。
RSウイルス予防法
まず流行時期は人ごみには赤ちゃんを連れて行かないようにしましょう。
予防は手洗い・うがいが効果的です。外から帰ってきたときや、食事の前、鼻をかんだ後などは特に石けんでよく手を洗いましょう。赤ちゃんの手洗いは難しいかもしれませんが、周りの人間は手洗い・うがいをしっかりして予防しましょうね。
まとめ
参考になりましたか?
お子さんがRSウィルスに感染しないために、周りの大人もしっかり予防することが大切です。
それでもうつってしまったら、経過観察をしっかりして早めに病院に連れて行ってあげてくださいね。